公的介護保険制度は、1997年成立の介護保険法に基づき、2000年4月に始まった社会保険制度です。その目的は、加齢に伴い心身が衰え要介護状態となった人の尊厳が保たれ、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要なサービス給付することです。また、市区町村が保険者として制度を運営し40歳以上の全ての国民は、制度に加入し保険料を支払います。


介護保険のサービスが利用できる人は、第1号被保険者と第2号被保険者です。

第一号被保険者 65歳以上の高齢者
第二号被保険者 40~64歳で健康保険に加入している人。但し、老化が原因とされる特定疾病で介護を必要としている人が対象

  • 第二号被保険者で介護保険の対象となる特定疾病
    末期がん /脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など) /筋萎縮性側索硬化症(ALS) / パーキンソン病関連疾患 /脊椎小脳変性症 /糖尿病性腎症・網膜症・神経障害 / 閉塞性動脈硬化症 /慢性関節リウマチ /後縦靭帯骨化症 / 脊柱管狭窄症 /多系統萎縮症(シャイ・ドーレガー症候群) / 骨粗鬆症による骨折 /早老症(ウェルナー症候群) /初老期における認知症 ※1 / 慢性閉塞性肺疾患 ※2 /両側の膝関節や股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ※1 アルツハイマー病、ピック病、脳血管性認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病など ※2 肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎

  • 2015年4月に公的介護保険制度が改正されました。
    市区町村は3年を1期とする介護保険事業計画を策定し、 3年毎に見直しを行います。
    高齢化の進展により、2025年には保険料が現在の
    5000円程度から8200円程度に上昇することが見込まれています。地域包括ケアシステムの構築を図る一方、介護保険制度の持続可能性の確保のための重点化・効率化が必要となっています。
    公的介護保険の在宅サービスを利用するときは、要介護認定区分に応じて1ヵ月に給付される支給限度額が決められています。


    現在、公的介護保険を利用されている生活援助の時間は
    「45分程度」というのが、平均的な時間になっています。残りの時間は、
    不自由な状態でひとりぼっちで過ごすか、家族が付き添って、世話をしている状態です。
    「もっと長時間ヘルパーさんに来て欲しい」という家族の要望があっても、
    叶えることは難しいのが、介護現場の現実です。


    公的介護保険は「支給限度額」が決められていて、その範囲内であれば
    自己負担1割※です。しかし限度額を超える、あるいはケアプラン以外の
    サービスを追加すると、全額自己負担になります。
    「自己負担1割の範囲内で」と思っても、現実的にどうしても必要な介護サービスを
    受けると、高額な自己負担になることも多々あります。※所得によっては2割負担の方もいます。


    ■「親子二人暮らし世帯」で在宅介護する場合に必要と考えられるプラン

    ≪想定ケアプランの内容≫
    母 83歳。要介護2 認知症 ひとりでは食事等ができない。
    娘 50歳 仕事をしている為、週5日は日中不在の状態。
    介護保険では、仕事に行っている日に母親をデイサービスにお願いしている。
    介護保険外(自費分)で、毎日1時間の身体介護(食事介助他)と週2回1時間の生活援助(調理・掃除)を依頼しています。

    [想定ケアプラン表]このプランにかかる金額を算出すると

    公的介護保険内サービス(自己負担1割)…………17,391円
    公的介護保険外サービス(自費分)………………+138,280円

    1ヶ月自己負担が155,671円を支払っている家族のケースです。
    しかしながら、どの家庭でも楽に負担できる金額ではありません。年金生活の老老介護であれば、
    より厳しいことがわかるはずです。

    様々なニーズに対応している公的介護保険ですが、希望するすべてに対応はしてくれません。
    そのため、「してほしいけれど、やってもらえない・・・」こともあります。

    「やってもらえない」例







        介護保険の1割自己負担、介護保険枠を超えたサービス利用分は全額自己負担となります。
        アンケートによると「公的介護保険だけでは不安」と考えているひとが多くいるようです。
        介護期間が長引けば長引くほど経済的にも精神的にもご家族に負担が重くのしかかってきます。
        公的介護保険は希望するすべてに対応はしてくれません。
        公的介護保険を補完するなにかを準備すること、すなわち自助努力が必要な時代になって
        きています。