<第1章>●仲間の支え合いによる福祉事業の意義

国が率先して行なっている”公的介護保険制度”が実施されて10年余り、実施以来さまざまな不備が指摘されています。安心して公的な介護保険制度を利用できないことは、国の年金制度が破たん寸前になっていることからも容易に察しがつきます。超高齢化社会を安心して生き抜くためには、仲間の支え合いによる防衛が必要です。

「ぜんしきょう」の事業目的と趣旨

高齢者が健康なときも、病めるときも、諸問題を万事解決していく…という方針がある

ぜんしきょう」の事業目的は、
仲間規約の第1条に
『高齢者と育児及び青少年の
社会福祉増進に寄与し、
国民の社会生活向上に
貢献することを目的とする』
という事業目的が明示されています。これは、26年余り前に始めた事業の理念を受け継いだものです。21世紀の超高齢化社会で、老人が"野垂れ死に"するような事態を未然に防ぐための事業であるということです。

■超高齢化社会という実態の認識が未成熟

21世紀の社会はもっとも激烈な高齢化状態の中に置かれていることが運命づけられている団塊の世代を含む中年以降の世代の人たちに、高齢化社会の実態を知らせ、生涯学習の一環として「老後の備え」を理解させていくことも事業の一環となっています。
「老いは自然現象であり、決して恥ずかしい現象ではない。恥ずかしいのは、高齢化社会が相当のスピードで到来し、深刻な社会問題をそのうちに持ち込むことが分かっていながら、自分の問題として考える度胸がなかったり、有効な対応策を構築しようとしないことである。人類共通の、ごくありふれた問題に直面しているのに、いまだに自分だけは特別だと考え違いをしている人たちのいることである」と、早稲田大学教授の岡沢憲芙氏が指摘しています。

この言葉には、老後問題を考えるうえで、まことに重要な基本的な問題が示されています。実際は高齢化社会に入り、諸問題が発生しているにもかかわらず、高齢化社会の実態についてはその認識が成熟していないという「現実と認識のアンバランス」傾向が著しくあります。

■人間の弱点と脆さ、そして克服への道

「凡人の日常生活は、雑念(煩悩)と雑事(貧乏)に追われた日々が、折り重なって積まれている。その繰り返しが毎日の生活となっている」と言っても決して過言にはならないでしょう。このような凡人の中でも、一部の特定の人は仕事や勉学に没頭することでこのような生活状態から逃れ出ようと試みます。この行為自体は良いとしても、自分の生活状態を良くしようとするあまり、他人を欺き、押し退けるような事を平気で日常的にするようになれば問題です。行き過ぎた利己心が、それ以外の人々に悪影響を及ぼすからです。
自分の生活だけが他人よりも裕福になれば良いのでしょうか。他人の生活よりも遥かに裕福と感じることが、本当に心から自分が幸せと思えることなのでしょうか。多くの人間が持つ"弱点と脆さ"とは『他人の幸福を自分の幸福と気づかない人の事』なのです。何事につけてもそうですが、自分の程度が良く分かっている人と、そうでない人とでは、人間性に於いては大きな違いとなり、一生という範疇で見れば計り知れない「差」になってしまいます。

人間の一生は、せいぜい長生きしたとしても、一世紀が限界です。宇宙という大空間の中にあるちっぽけな地球という星の上に生存する人間の一生は、考えて見ればみるほど、小さな粒のような存在です。人々がこうした実態を直視して生活していれば、儚(はかな)い人生の中で「何をしなければならないか?」をしみじみと考えて生活を送る筈です。しかし全ての者が理性溢れた者たちではないために、社会は混乱と試行錯誤が繰り返されます。
「ぜんしきょう」事業は、人間の弱点と脆さを克服し、高齢者福祉の向上と社会福祉に貢献するという目的とともに、人間性の復古・復活を求めたいと始め、発展したものです。これからも、仲間や他人の幸福を守る事を"至福"とし、福祉事業に邁進してまいりますので、ご支援・ご協力をお願いいたします。
自分のことだけを考えるのではなく、仲間や他人の幸福を守りたてる事の出来る人をめざし、共に行動して同じ仲間を増やしましょう。

<第2章>●保険とも共済とも異なる福祉事業

ぜんしきょう」の福祉事業は、“保険と似ている”“共済のようなもの”と言われます。確かに相互扶助という表面的形態は同じです。しかし、金銭給付事業の保険や共済、そして営利を目的とする保険とは明らかに一線を画しています。

「相互扶助」の内容に"差"、保険・共済 vs ぜんしきょう事業

「金銭給付」という将来への不確実性に対し、変動のない「現物給付」の事業を展開。

総務省が2010年の国勢調査の抽出速報集計結果を発表しました。その中で65歳以上の人口の比率は23.1%で、前回の05年の調査に続き世界最高を更新しました。一方、15歳未満は13.2%で最低を更新し、少子高齢化の深刻さを浮き彫りにしています。
その中で、見逃せないのが『独り暮らしの高齢者』の大幅な増加です。65歳以上の男性の10人に1人、女性は5人に1人が独居世帯です。総数で457万7千人と、30年前に比べて5倍になっています。地方も都市部も、日本全体でこの高齢者の夫婦、または独居という世帯が増え、介護問題が発生する危険な確立も大幅にアップしています。

■保険と共済、ぜんしきょうとの本質の違い

そもそも「ぜんしきょう」は保険でも共済でもない、独自の福祉事業です。違いが見えにくい事業内容と思う方も多くおられますが、その内容を整理すると大きな相違点が理解できると思います。
まず加入対象ですが、保険事業では原則として不特定の者が対象です。しかし、共済は「一定の資格を持つ者だけ」が対象となります。次に、団体構成員との同一性ですが、共済では団体の構成員と利用者は同じです。保険では株式会社であることからもわかるように、団体構成員である株主と保険の利用者は必ずしも同じではなく、関連性を持つ必要もありません。
営利性ですが、共済では事業継続のための採算性を除けば利用者が共済の利用を目的に出資しているために、共済の利用がそのまま出資者である団体構成員の利益になります。自分のために自分で出資して運営しているわけですから、お互いの利害は一致していますから対立しません。これに対し保険事業は出資者(=株主)の利益づくりの必要があるために営利性が求められます。そのため事業を行なう者と利用者との間には利害の対立がうまれます。

このような点から保険と共済の区分けができます。共済とぜんしきょうとの違いは、「金銭給付」と「現物給付」の違い、そして単なる相互扶助ではなく"絶対的相互扶助"であること、将来に対してまったく変動のない安心が得られることが特徴です。

■大きな社会問題になる前から事業を開始

そもそも「ぜんしきょう」の前身が介護問題を訴えて事業を始めたのが昭和60年、世の中はバブルの時代でした。この時代は色とりどりの経済で、ジメジメした「介護」という言葉を聞くことはめったになく、目に留まることもありませんでした。それから25年余り…、21世紀を迎えて世の中には「介護という問題」が大変な社会問題になっています。僅かな時間に、なぜ介護問題がこれほど大きな社会問題になってきたのでしょうか。
それは医療技術の進歩と衛生環境の向上による長寿化の実現です。そして、核家族化により世帯の人数が減り家族の絆が失われました。介護を担う家族(特に女性)の存在が大きく変化しました。

■介護問題解決は営利性があっては不可能

厚生労働省の統計資料を見ると、65歳時の平均要介護者数は100人中8人です。しかし、75歳になると3人に1人となります。さらに、亡くなる1年前には殆どの者が要介護者になってしまうといいます。介護問題を国民的環境の中で解決するには、保険ではない事業が必要と考え非営利の事業を起こしました。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という保険事業では考えられない高邁な理念による助け合い事業です。その中で「絶対的相互扶助」は、事業利益のすべてを仲間の受益向上と事業参加者への公平な分配をするための象徴として掲げました。

■夢とロマンの支え合い事業

一人ではできない事でも、多くの仲間が集まれば実現が可能になります。介護問題は一部の高齢者の問題ではなく、全年齢の者たちが背負っている問題ということを認識して、問題解決に向けての努力をはかろうではありませんか。「ぜんしきょう」に参加する皆さまの夢とロマンは、純粋で崇高で、人としてとても大切なものだと思います。

一般社団法人 ぜんしきょう 全国育児介護福祉協議会

[東京支社]〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-16-6 タツミビル9階

ぜんしきょうは、仲間でつくる支え合いの福祉事業

Copyright©2009 ぜんしきょう. All Rights Reserved.